Ryzen 7 1800XとGeFoce 1080Ti の2枚刺しで映像制作と3DCGに最適なハイスペックPCを自作してみた

いままでAfter EffectsやPremiereを使った映像制作、またCinema4Dも絡めたモーショングラフィックスの制作にはMac Pro 2013 Lateのフルスペック版(無駄に100万した)を使用していました。購入した時点からGPUがAMDのFireProというのに疑問を抱きつつも、OpenCLが普及することを信じて騙し騙し使っていたのですが。。4年経ったいまでも映像や3DCG業界ではまだまだCUDA一択。そして近頃は4K編集がスタンダード、8KやVRも制作するようになってきたので、エンコードやレンダリングに使う時間は膨らむ一方です。
ということで、意を決してかつてハマっていた自作PCの世界に再び突入することを決意。ちょうどAMDからRyzenというコスパの良いマルチコアCPUが発売され、NVIDIA TITAN Xに匹敵するGeForce GTX 1080Tiも出始めだったのでナイスタイミングだった気がします。
要件がハッキリとしているわりにネット上にはピンポイントな正解が見当たらず、しかし需要のある内容かと思ったので久々にブログにまとめてみました。
まず自分の要件としては以下。
- Adobe Premiere、After Effectsで4K、8Kをストレスなく編集できるようにしたい。かつAEでRed Giant系プラグイン使いまくりの3Dコンポをサクサク編集したい。
- Cinema 4DでGPUレンダリング(Octane Render)かNVIDIA Irayを導入したい。これはリアルタイムレンダリングが目的。納品レンダリングはレンダーファームで良い。
- お金を気にせず思いっきり自作PCを楽しみたいw
4K、8Kの映像編集の際はもちろんインジェスト機能を使ってプロキシを編集するようにしてるのですが、Mac Proだとこのプロキシにエンコードする時間が異様に長い。またAfter Effectsのコンポに置き換えたクリップのレンダリングとエンコードはスーパー時間かかります。サードパーティ製のAEプラグインではCUDAが必要なものもいくつか。
さらに、C4Dでのレンダリング。C4D純正のレンダーはCPUを使いますが、昨今のGPUパワーを持ってすればリアルタイムレンダリングが実用レベルになり、トライアンドエラーを繰り返すようなライティングやマテリアルの作り込みにはもってこいの環境を手に入れることができるようです。見てください、このリアルタイムレンダリングの素晴らしさ。
そして映像制作と3DCGに最適な自作PCを作る(お金は二の次)というミッションのもと少し時間をかけて下調べをしみました。その中から決定打になった記事をいくつか挙げます。
- Premiere Pro CC 2017 NVIDIA Quadro (Pascal) Performance
- Octane Render GPU Performance Comparison
- Adobe After Effects CC 2015.3 Pascal GPU Performance
- OTOY • OctaneBench Results
- OTOY • OctaneRender: Faqs
- The Best GPU for DaVinci Resolve | Nvidia Quadro vs GeForce GTX
- 爆速の悪魔 「NVIDIA TITAN Xp」をレビュー Not Beast, It's Devil !!! : 自作とゲームと趣味の日々
上記の記事からわかったことをスーパー簡潔に要約すると。
- Pascal世代のNVIDIA TITAN Xpは超優秀。QuadroのGP100、P6000と対等に戦えるGPU。
- Premiere、After EffectsではQuadroとTitan Xの差は僅か。むしろTitan X系が勝っちゃう。
- Octane Renderも同じくTitan系GPUが優秀。
- OctaneRenderはCUDAコア数が速度のカギ。
- CPUはコアの数よりもクロック数を重視したほうが良い。
- 1080Tiはとてもコスパの良いGPU。
ということでした。そしてそれを踏まえたPC構成が…これだっっ!
- X370 GAMING PRO CARBON | Motherboard – The world leader in motherboard design | MSI Global
- AMD Ryzen™ | AMD
- GeForce GTX 1080 Ti SEA HAWK X | Graphics card – The world leader in display performance | MSI Global
- www.gskill.com/en/product/f4-2400c15q-64gfxr
- Kraken X62 – NZXT
- crucial.jp – Crucial MX300: 高速処理の長期持続が可能
- Thermaltake – Global – Toughpower Grand RGB 750W Gold Full Modular – PS-TPG-0750FPCGxx-R
- S340 Elite (Matte White) – NZXT
スペック的に重要なのがGPU、CPU、そしてメモリ、ストレージの順です。他は予算や趣味に応じて好きな構成で選ぶと良いと思います。ストレージについてはNVMeとかも選択肢に出てきましたが、転送速度に差はあれど、それ以外のボトルネックがあって体感は変わらないみたいだったので、2TBが買いやすいMX300にしました。

まだ現在進行形の案件では使えていないのですが、組んで試した所感、PremiereとAfter Effectsのエンコード、レンダリングは圧倒的に速くなりました。体感10倍くらいかな。。またC4D、Octane Renderでのリアルタイムレンダリング、凄いです。ここまでくると作業革命です。
あ、あとやっぱしMOD PC、超楽しいです。
結果、Mac Proと比べて作業効率を数段レベルアップさせることができそうです。1点だけ盲点だったのが、AMDのチップセットだとThunderboltインターフェースを使うすべが全くないということ。これにはビックリでした。
おそらくMac Proを使いつつFireProのカードに憎悪を燃やすクリエイターは少なからずいると思うので、ぜひ参考にしてくださいまし。気が向いたら今回自作したPCのレビュー書くかもしれないです。